肩こり
  • 病名
  • 肩こり
肩こりの原因は僧帽筋の血行障害とよくいわれていますが、当院では僧帽筋が血行障害を起こすのは原因ではなく、結果と考えています。
肩こりを訴えて当院を訪れる患者さんの多くは、肩こりだけではなく頭痛や便秘、不眠や食欲不振などの、さまざまな不定愁訴を抱えています。
ですから、骨格の歪み、疲労、内臓疾患、更年期障害、ストレスなどの、さまざまな原因によって肩の僧帽筋が血行不良をおこして、不快な肩こりがおこるのです。
当院では中医学的診察法によって一人一人の原因を把握して、肩こりの原因が解消するように治療することによって、肩こりを根本的に取り除いていきます。
  • 原因
  • 肩こりの原因
肩こりの原因は非常に多岐にわたります。長時間パソコンをしただけでも肩がこります。
大まかに箇条書きで肩こりの分類をしていきますと以下の通りです。

①疲労性の肩こり
②筋肉や骨格のバランス異常
③ストレス等の精神的原因
④目、鼻、耳等の感覚器の異常や虫歯やかみ合わせが悪い
⑤更年期障害
⑥胃腸や心臓等、婦人科疾患等の内臓疾患

上記以外でも様々な原因が考えられますが、通常は二つから三つの原因が複雑にからみあっているもので、単純な肩こりはめったにありません。

そのため、当院では肩こりと言えども中医学弁証によって、一人ひとりの原因を把握して治療するのです。
  • 弁証
  • 肩こりの中医学弁証
①風寒による肩こり

中医学では自然界の風、熱、湿、燥、寒、暑の六季の影響を受け過ぎることによって、病がおこると考えられている。そのため、それぞれに邪を付けて風邪、熱邪、湿邪、燥邪、寒邪、暑邪として、六淫と呼んで外からの原因という意味で外因としています。
風寒の肩こりは風邪と寒邪が原因の肩こりです。

風邪は突然に吹き、上昇する特徴があり、寒邪は血行を阻害して痛みを誘発する特徴がありますので、肩から上の肩こりや頭痛、関節痛等をおこします。

②肝陽上抗による肩こり

中医学では人の感情などの情志行動は心と肝が司っていると考えられていて、ストレスなどで陰気と陽気の調和が崩れて、肝の陽気が上昇してくると、肩がこりイライラとおこりっぽくなり胸がつかえて苦しく、めまいや目の充血を伴います。

③気滞血による肩こり

「気は血の師であり血は気の母である」気血はお互いになくてはならない関係であり、血液を温煦して動かす働きは気が行っている。
精神不安やストレスで気の流れが阻害されると、血液の流れが悪くなり血行不良をおこして肩こりがおこる。胸が息苦しい、月経異常などがあらわれることもある。

④痰飲による肩こり

食生活の乱れやストレスによって体内の水液代謝が滞ると、中医学でいう中焦(胃のあたり)に痰が溜まるので、これを痰飲と呼びます。痰はのどにひっかかるのでのどに出来るものと思われますが、中医学では脾で出来た痰が肺やのどでひっかかると考えています。吐き気や咳をともないのどが渇くが水は飲みたくない、胸がくるしいなどの症状をともなう肩こりです。

⑤肝血不足による肩こり

中医学では肝は血を蔵す臓器と考えられています。また、肝は気の流れを順調にする働きをしているので、出血などで肝の働きが悪くなると、気も血も不足して血行不良をおこしてしまいます。また、肝は目に開竅するといわれ、肝血不足になると目の渇き、眼精疲労、めまいなどの症状をともないます。

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