認知症
  • 病名
  • 認知症
認知症は進行していく疾患であり、根治できないのが現状です。
65歳以上の人全体の15%に認知症があり、また、65才以上の人全体の13%に軽度認知障害があると推計されています。認知症の人462万人と軽度認知障害の人400万人を合計すると、862万人であり、65歳以上の人の全体の30%近くの人が罹る病気です。
その60〜70はアルツハイマー病と考えられています。アルツハイマー病は進行性の病気で、軽度認知障害から始まりいずれ認知症に進行していきます。軽度認知障害の人の12%は1年で、80%が6年以内に認知症に進むといわれています。しかし、軽度認知障害の段階で適切な治療を早期に始めれば、認知症に進行するのを遅らせることができます。

【認知症の種類】
アルツハイマー型認知症
脳血管性認知症
前頭側頭葉変性症
レビー小体型認知症

【早期発見、早期治療】
認知症は根治が難しい病気ですが、早期に発見して適切に治療していけば、いつまでも元気で自立した生活を送ることができます。そのためには早期発見、早期治療が最も重要になります。早く気付くためには、物忘れ、仕事や家事の効率、元気や意欲、普段と違う出来事への反応、趣味への取り組み、つき合いのれびなどに、変化がないかに注意し、軽度認知障害が疑われる場合には、速やかに神経内科などを受診してください。もしも、神経内科への受診に対して抵抗感がある場合は、物忘れ外来のある病院へ受診してください。

【鍼灸治療の目的】
認知症は西洋医学的には進行していく病気であり、症状が回復することはないといわれていますが、鍼灸治療によって症状が回復した症例は非常に多く、実際に当院においても身体機能が回復すると供に、表情や人格が改善している症例が数えきれません。当院では認知症は改善する病気であるという認識です。ですから鍼灸治療の目的は大きく3つ、症状の改善、進行の抑制、発症予防です。

・症状の改善
鍼灸治療によって最も目に見えて改善されるのは表情です。顔の表情が豊かになり目の焦点がしっかいりとしてきます。次に姿勢が良くなり歩くスピ—ドが速くなり、さっそうと歩くようになります。集中力や精神の安定性も出てくるよになります。

・進行の抑制
鍼灸治療で常に身体の調子をベストな状態に保つことで、今ある機能をフルに活かして現状を維持することができます。

・発症予防
認知症は脳が萎縮していく病気なので、その予防には脳の血行を良好に保つことによって、発症を予防できます。頭痛や肩こりで困っている方は多ですが、脳を栄養する血管は重力に逆らって肩や首を通って脳に血液を送り届けています。日常的に肩や首の筋肉がガチガチに凝っていると、血管が圧迫されて脳の血行不良を起こし発症しやすい状態にあります。肩こりを自覚していない人でも首や肩の筋肉がガチガチの人は多いので、認知症予防に鍼灸治療をお勧めいたします。また、転倒予防が非常に大事で、高齢者が転倒して骨折し、手術を終えて自宅に帰ってきたら、家族の顔も名前も分からなかったというケースが珍しくありません。鍼灸治療で常に足腰の手入れをして、安全に散歩をすることができる状態をキープすることが重要です。
  • 原因
  • 認知症の鍼灸治療
当院では徘徊や人格障害、治療への抵抗、弄便、異食や過食の症状の顕著な患者さんは、残念ながら治療対象にはいたしておりません。
設備上の問題とスタッフの人数が少ないことから、鍼灸治療を行う上で、最低限の安全と他の患者さんの治療の妨げにならない状態の方に限らせていただいております。

【治療方針】
身体機能の維持と改善を目指し、疼痛やシビレなどで動かしずらい局所を治療する事で、QOL(クオリティーオブライフ)生活の質を向上していきます。
また、中医学的鍼灸治療には精神活動を正常にする治療法があり、精神的エネルギーと身体的エネルギーのバランスを整えていくことで、心の安寧を保ち、何事にも意欲や興味のもてる状態に改善していきます。
そして最新の脳科学に基づいた脳針で脳細胞を活性化します。

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