• 病名
ひと昔前なら癌と聞くと絶対に治らない不治の病で、癌の告知をすることは、死の宣告をするのと同じことのように考えられてきました。
しかし今では定期健康検査や人間ドッグなどで、早期に発見されれば注射や簡単な手術で助かる癌も多くなりました。

癌とは
悪性新生物、悪性腫瘍とも呼ばれ何らかの理由で細胞の変異が起こり、制御できない細胞の増殖を繰り返し、転移して正常な組織に入りこみ、機能を奪い生命をおびやかします。
人の体の細胞には細胞分裂の際、異常な増大や急繁殖などを抑制するシステムが常に働いているが、何らかの異常によって細胞の暴走がおこり、制御システムを無視して増殖し続ける癌細胞が生まれ、正常な組織に入り込み栄養を奪い、栄養を奪うと違う場所に転移して進行していきます。


癌の種類
1.癌は転移していきますが、初めにできた臓器や器官の名前を付けて、「胃がん」や「肺がん」などの名前を付けられます。
2.同じ器官や組織にできた癌でも性質が違うばあいがあります。

癌の分類
1、癌腫
皮膚や臓器の表面の上皮性組織にできる悪性腫瘍です。
扁平上皮癌、腺癌、未分化癌などがある。

2.肉腫
悪性リンパ腫
白血病
多発性骨髄腫  
  • 治療法
  • 癌の治療法
癌の治療法はたくさんありますが三大療法といって、癌の種類や転移の有無などの状態によって選択されます。

1.手術療法
癌細胞をねこそぎ切除することによって、完全に癌を排除することができるので、癌治療で最も信頼性の高い治療法である。

以下のようなデメリットがあります
・全身麻酔や手術の傷によって身体にダメージがある
・臓器を切除することによってその機能が失われる
・癌のできた部位によっては手術できないことがある
・小さすぎる転移には対応できない

2.薬物療法
抗がん剤治療のことで、治療は主に点滴や注射、内服薬でおこなわれます。
薬物は血液に入って全身いくまなく行き届くので、微細な癌細胞でも攻撃することができます。

以下のようなデメリットがあります
・癌細胞以外の細胞までダメージをうけて脱毛、嘔気、シビレ、全身倦怠感などの症状がでる
・癌の種類によって効果があらわれないこともある
・長期にわたって高額な薬を使用することで経済的負担が大きくなる

3.放射線療法
病巣部の癌細胞に放射線を照射して癌細胞を死滅させる治療法です。
検査機器や放射線照射機器の向上で、正確に癌細胞を狙うことができるようになってきているので、治療効果も向上してきています。

以下のようなデメリットがあります
・放射線障害で照射部に炎症症状があらわれる
・めまいなどの全身症状があらわれるケースがある
・治療法によっては生活制限をしなければならないケースがある

4.その他
癌治療の三大治療にはすべて大きなデメリットがあり、患者さんを心身ともに苦しめます。ですからメインとなる三大治療によるダメージを少しでも少なくする、ダメージから速やかに回復させる治療を同時に行う必要があります。
そのためにはカウンセリングや心療内科などの精神的治療も含まれてきます。

・鍼灸治療
・漢方薬治療
・理学療法
  • 挑戦
  • 当院の癌への挑戦
鍼灸治療が癌治療においてどのような役割を果たすかというと、三大治療のサポートや痛みの緩和ケア、精神不安に対して非常に大きな効果があります。

癌治療の目的

1.痛みの緩和ケア
当院で癌治療を始めるきっかけとなったのは、末期癌の痛みの緩和ケアでした。
末期癌では、痛みをコントロールして最期まで人生を充実したものにすることが目的となり、非常に強い痛み止めが効かない末期癌の患者さんに、鍼に電気を流すハリ通電療法を行ったのが始まりでした。モルヒネなどの麻薬製剤の使用を一日でも遅らせるために非常に効果的でした。
痛み以外でも、腹水や胸水が治療中に見る見る少なっていくようなことも、頻繁に経験しています。

2.手術後の機能回復
乳癌の手術で胸の筋肉を切除されると、腕を上げることが困難になり、周辺の筋肉や皮膚が痩せて肩関節が硬縮してしまいます。
子宮癌でリンパ腺を摘出されると太ももから下の足全体が浮腫み痛みを伴います。
それらの症状を緩和するための治療法は多く、理学療法やマッサージ治療などさまざまなアプローチがされていますが、鍼灸治療が最も効果的です。
原因がはっきりしていて病院でリハビリしたのに全く改善しないので、諦めている人が多いですが当院の鍼灸治療ならみなさん改善しています。

3.薬物療法のダメージを緩和
抗がん剤治療も最近では副作用が少なくなり、かなり楽になったのいわれますが、実際にはまだまだダメージは多きものです。脱毛やめまいふらつき、食欲不振、便秘、全身倦怠感などさまざまな症状が現れます。
やっと症状が治まったころに再び抗がん剤治療をする繰り返しなので、出来るだけ速やかに症状を治療して体力を早く回復しないと、治療の副作用で結果的に寿命が短くなることも有りますので、抗がん剤治療の後には鍼灸治療するのが最適です。

4.精神的サポート
鍼灸治療では鬱病や神経性胃炎やパニック障害などの精神疾患を得意としています。それは中医学に整体観念というものがあり、心と体は一つでありお互いが助け合い、干渉しあって調和を保っているという考え方があるからです。
癌の不安と恐怖は計り知れないものですが、精神的に弱る事は自然治癒力や免疫力を低下させ、癌につけ入る隙を与えてしまいますので、経絡の気血の流れを良くして、陰陽の調和をはかることで、精神の安定を保つことができるのです。 

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