- 癌の痛みと筋肉や関節の痛み
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多臓器癌で背中全体が痛くてシビレているので
「ゴルフボールの上に寝て筋肉をほぐしたら
少しは楽になりませんか?」
という患者さんの問いに
「これは筋肉痛ではないので機械的な
刺激で揉みほぐすような事をすると
逆にひどくなってしまいますよ」
痛みの原因は5つの種類があり
①炎症
②筋肉
③神経
④内臓
⑤脳
癌の痛みは内臓からくる痛みなので
背中が痛いからと言って背中の筋肉を
ほぐしても痛みは変わらないのです
ではどうすれば治るのか?
一番いいのは痛みの原因である癌が
消失してくれれば背中の痛みも治る
しかしそれが難しいとなれば
薬物療法で痛みをコントロールするのだが
この人はすでに鎮痛剤を服用しているが
それでも痛みやシビレで悩んでいる
この人の痛みは癌に侵された
内臓からの不調の情報が体表に現れた場所なので
反応の強いところを鍼で刺激すると
その刺激は原因の内臓に伝わります
ツボとはこの様に体の内部の変化が
体表に現れた場所のことであり
このツボを正確にとらえて施術すると
内臓からの痛みであっても
鍼灸治療の効果は絶大だ
痛みやシビレは緩和し
腹水や胸水が瞬時にひくこともある
これは中医学独特の経絡理論があるから
成り立つ治療法であり整体やトリガーポイント
筋膜リリースなどの筋肉や関節といった
組織だけを対象にしている理論では
できない治療である
一般的に背中が痛くてシビレるなどの
場合は筋肉痛や神経痛を考えて
まずは筋肉を揉みほぐすことを考えるが
内臓痛の場合は全く違う考え方で
治療法を組み立てないと
むやみに筋肉を刺激すると逆効果に
なることがあるのでご用心ください。
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