• 2022/10/18
  • 首・肩・膝の痛み
「五十肩」どうしても動かしたいのかな?


去年の6月に右肩の五十肩で来院され
2カ月ほどで治癒したが
今年の4月に今度は左肩が不調になり

「絶対に安静にして使わないで下さいね」と
左肩を動かさないように指導しておいたが

その後

来院する度に左肩の症状が悪化して
8月には夜間痛で目が覚めるほどの
本格的な五十肩になってしまった

「こじれてしまったのでしばらく
しっかり治療に専念して下さいね」と
お願いしたがその後も月1回ペースで
しか来院しない

そして10月になり昨日来院して
「もう何もしていない時でも疼くほど痛いです
五十肩は動かさないと動かなくなるので
多少は体操したほうが良いんですよね」と言う

はぁ?

この患者さんは去年右肩の五十肩になり
大変辛い目にあっている
しかも
その時に五十肩の説明をしっかりして
2カ月ほどで治癒しているので

「安静にして下さいね」で分ると思っていたのだが

今回はぜんぜん良くならないで悪化して行くのは
こういう事なのかと合点がいった

五十肩を一度経験している人でも
五十肩は動かさないと関節が硬くなり
肩関節が動かなくなると思って
体操やストレッチをしてしまうようだ

道を歩くと友人知人に
「動かさないと動かなくなるよ」と言われ

整形外科や整骨院でも五十肩は
運動療法で治すものだと教えられ

テレビをつけると健康番組やCMや
ショップチャンネルなどで
五十肩の体操や健康食品などが
毎日のように映し出されて

「五十肩は体操で治すのが当然!」

そんな世の中なので
しがない町の鍼灸師が「五十肩は安静に!」と
いくら叫んでも信用してもらえないのかもしれない

それにしても月に1回だけでも当院に通いながら
五十肩を発症してしまう患者が出てしまった事は
非常に残念で力不足を感じる症例だ

4月のちょっと肩の調子が悪いと言った時に
もっとしっかりと五十肩の説明をして
安静にしてもらっていれば
辛い思いをさせなくて済んだのだ

この失敗例を無駄にすることのないように
肩関節の不調を訴える人には
安静にしてもらうようにとことん
本人が得心するまで説明しなければならないと

「五十肩は運動療法!」という都市伝説に
太刀打ちできないと思ったのでした。(泣)



一覧に戻る