• 2025/10/30
  • 難病・慢性病
痛み止め乱用の弊害④

当院に来院した患者さんの中で
すでに膝や腰の手術をした人の経過を
聞くと一様に痛み止めを服用しながら
家事や仕事、趣味を続けながら
リハビリに励んでいたと言う

しかも何年も病院に通って医師や
理学療法士の指導を受けて
きびしい体操やウオーキングを
真面目に頑張って努力していた

にもかかわらず悪化の一途をたどり
手術することになってしまっている

私はこの事が痛み止めの弊害だと
警鐘を鳴らしているのである

例えば膝が痛くて病院に行けば
「関節に変形があるので少しぐらい
痛くても運動しないと歩けなくなる」

と言って痛み止めとシップを処方されて
運動療法を指導される

これはではせっかく体が痛みの
ホルモンを分泌して危険を
知らせてくれているのに

痛み止めで痛みを分らなくして
さらに膝関節に負担のかかる
運動を指導している

痛み止めを使うという事は
赤信号が青信号に見えているのと
同じことなので

本人は少々痛くてもウオーキングや
リハビリを頑張れば膝の痛みが
軽くなるはずだと信じて
一生懸命にリハビリに励み
膝関節に負担のかかる運動を続ける

その結果自分で自分の膝を破壊して

人工関節置換術の手術を受けて
障害者4級となってしまっている

痛み止めさえ飲まなければ
誰もそこまで悪化させることは
できなかっただろう

激痛を感じることができれば
医師や理学療法士が何を言っても
自分で自分の関節が壊れるほど
我慢して運動はできないからだ

痛み止めで痛みが分からないから
自分で自分自身の膝関節を
再起不能まで破壊してしまったのだ

そして私が最も危惧しているのは
現在痛み止め薬と湿布薬との違いが
曖昧になっていて

「このシップよく効くわー」
と毎日貼っているはり薬が実は
痛み止めの薬である可能性が高いのだ

この事が

赤信号が青信号に見えている
危険な状態に置かれている人を
激増させているのである


つづく

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