• 2024/07/19
  • 鍼灸・東洋医学
鍼は怖いと思い込んでいる人は難しい

鍼治療は体質に合わなかったら
ひどい目に会うと思い込んでいて
今まで怖くて鍼灸治療だけは
受けたことがないという人が

何をやっても膝の痛みが良くならず
万策尽きて悩んでいる時に
友人に勧められて当院に来られた

一度目の治療の後で持病の喘息が
発症して2週間ほど治療を中断し

その期間は趣味のテニスやヨガなど
膝に負担のかかる事をしなかったので
膝の痛みが消失して経過良好だった

その後2回治療して
体調が完全に回復したので
趣味も全て元通り再開した週に
3回目の治療をした

その日は朝からテニスをして
その帰りに治療によられ

帰宅途中で膝に軽く異変を感じ

「鍼灸治療の直後に膝の調子が
悪くなった、どうしたらいいですか?」と
当院に電話がかかった

このブログを読んでいる読者の
方は客観的に判断できるので
もうお分かりだと思う

この人は「鍼治療をすると悪化してしまう」
という強迫観念が刷り込まれているので

鍼の効力が悪い方向に働いてしまうのだ

テニスと鍼治療をした後に膝の
調子が悪くなって「鍼治療で悪化した」と
確信をもって電話してきたのが
その証拠である

こうなると1回目の治療の後に
喘息が発症したのも「鍼治療をすると
悪化する」という
強迫観念によるものかもしれない

鍼灸治療は鍼や灸を用いてツボを刺激して
本人の治る力を引きだす治療法である

ところが人の心と体の関係は複雑で

例えば子供に赤いお箸を見せながら
「熱いよ熱いよやけどしちゃうよ」
と言いながら腕に押し付けると
実際にやけどを負った実験例がある

ネガティブな感情を持っていると
体が無意識に悪い方向に働いてしまのだ

鍼を刺すと微量のサイトカインという
ストレスホルモンが分泌されて
そのことで免疫力や自然治癒力が
高まり症状を改善する

また脳ではβエンドルフィンという
ホルモンが分泌されて痛みの閾値が
上がることで痛みが解消される

ところが強い強迫観念を持っていると
大量のサイトカインが分泌されて
脳では海馬が興奮してしまい
痛みに敏感になってしまうのである

だからいくら適切な治療をしても
本人が「悪くなったらどうしよう」という
強い強迫観念を持っているかぎりどうしても
悪い方向にしか変化しない可能性がある

ある意味で鍼に対するアレルギー反応だ

何をやっても治らないので当院へ来られ
怖いのを我慢して鍼灸治療を
受けてもらったので何とか
治してあげたいと思うのだが

さて、どうしたものか?

鍼を使わずに同じ効果が期待できる
治療法があればいいのだが...


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