- 鍼灸治療を外国で行うと劇的に効く理由
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NHKのフロンティアという番組で
アフリカでお灸をすえたり
アメリカ軍の兵隊さんに耳鍼をしたりして
腰痛や結核、エイズ、間質性肺炎など
外国では鍼灸治療は
本当に劇的な効果を上げている
この番組を見て思い出した
10年ほど前にモンゴルに
医療ボランティアで行ったが
モンゴルでは日本では考えられないほど
鍼の効果が得られた
モンゴルでは交通事故で左右の
足の長さが違っていたり
先天性の奇形で体が歪んでいたり
手や足の数が少なかったり
そんな患者さんが多かった
中でも脳卒中の後2年間も全くリハビリを
受けていないので体が丸く固まって
右側の手も足もすべての関節が
ガチガチに固まってしまって
ストレッチャーで運ばれて来た人が
私の鍼灸治療の後は人の肩を借りて
歩いて帰っていったことは
私の治療家人生でも5本の指に入るほどの
奇跡の瞬間だった
モンゴルでは日本では考えられないほど
鍼灸治療の効果が上がるので
まるで自分の治療技術が突然
向上したような錯覚を覚え
帰国して日本で同じように施術して
自分の未熟さに愕然とする
これが私を含めて同行した鍼灸師の
全員の感想である
同じ治療家がモンゴルでは
カリスマ治療家のごとく物凄い
治療効果を上げていたのに
日本ではまったく効かない
このことから鍼灸治療は治療家の
力量以前に患者さんの治療家に対する
信頼度が高いか低いかによって
治療効果はまったく違ってくることが分かる
モンゴルの人たちにしてみれば
治療家は全て医師なので私たちのことを
日本という先進国から来た凄い
医師団だと思っている
外国から来た凄い医師に診てもらえるのだから
「治療してもらえば絶対に辛かった
悩みが解消するはずだ」という強い思いがある
つまり患者さん自身の治療家に対する
期待度が高いことによってモンゴルでは
鍼灸治療の効果が良かったのである
だから鍼灸治療は鍼や灸による
ツボ刺激が体に及ぼす影響を
患者の治療家に対する信頼感や期待感が
増幅する働きがあると確信している。
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