- 高齢者の転倒は理由を想像しなければ
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5ヶ月前自転車を止めようとして
自転車と共に転倒してしまい
左の股関節と左肩を打ったので
整形外科で左股関節と左肩の
レントゲンを診てもらい
骨に異常はないといわれ
リハビリを勧められたが特に
必要性を感じなかったので行かなかった
その後今まで家で経過を見ていたが
やっぱりこのままでは良くないと
当院へ来られた75歳の男性
杖は5月に転倒してからつくように
なったそうだがその前から
歩く速度が遅くてお婆さんに
追いこされたりしていたという
本人は65歳で定年退職してから自宅で
何もせずに過ごしていたから
運動不足でこうなったと思っているようだが
立派なサルコペニア状態だ
左手は震戦し両手の動きも緩慢である
いろいろ動かすことはできるが
機敏に動かすことはできない
この症状で転倒して打撲した場所だけ
レントゲンで診て帰した医師は
いったい何を診たのだろうか?
この患者さんのケースは
自転車を止めようとして転倒した
原因を想像して検査をする必要がある
・ただ単純に足が引っかかって転倒した
・サルコペニアの筋力不足で転倒した
・一過性脳虚血発作などで転倒した
・ビタミンB12や葉酸などのミネラル
不足の意識障害で転倒した
などなど
さまざまなケースが想定される
脳梗塞や甲状腺機能低下の検査も
必要なケースである
転倒して怪我をしているので
レントゲンで骨折がないから大丈夫と
帰すだけの医師ならAIでもできるだろう
当院ではハッキリと原因を検査できないが
全身の筋力が著しく低下して動きが
緩慢になっているサルコペニアと判断した
しかも記憶力や語彙力も低下しており
フレイルの危険性が高く
放置する事は寝たきりを意味するので
鍼灸治療だけでなく筋トレとウオーキング
老人会やデイサービスなどの
社会参加などを指導することにし
腕の良い医師を探してきちんと
検査してもらうように勧めた。
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