- 「腱鞘炎」匙を投げるのはもうやめます(笑)
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このブログで何度も書いているが
腱鞘炎は手の使い過ぎが原因なので
どんな素晴らしい治療を施しても
本人が手を使い続ける限り治らない
だから「手を安静にして下さい」と言っても
「手を使わなければおマンマが食えまへん」と
間髪入れずに拒否する人には
「とことんまで我慢して
これ以上無理な状況まで悪化した時に
整形外科で手術してもらって下さい」と
匙を投げていた
治療家の立場から見て
蛇口が開きっぱなしでお風呂があふれている水を
時々桶ですくって外へ捨てているだけのような
「焼け石に水」的な行為に意味が感じられないからだ
しかしどんな状況でも治療家は最後まで
患者さんに寄りそい
一緒に病と闘わなければならない
と思い直し
同じ手を酷使する仕事をしていても
腱鞘炎になる人とならない人がいるのは
ナゼか考えてみた
理由は三つあると思った
一つ目に体質的に腱鞘炎や五十肩などに
なりやすい人
例えば出産直後のママさんや
閉経後の女性や糖尿病などの基礎疾患のある人だ
二つ目は作業のフォームが悪く
やり方や手の使い方が悪くどうしても
腱鞘炎になりやすい人だ
三つ目は腱鞘炎の治療法が間違っていて
炎症なのに指圧やストレッチなど
いろいろ患部をこねくり回して
逆にどんどん悪化している人だ
これらを考察すると
一つ目の体質的に腱鞘炎になりやすい人
以外は本人が努力すればなんとか
手術しなければならないほどの
重症にならずにすむ人達だ
作業のフォームが悪ければそれを
改善すれば良くなるし
治療が間違っていれば腕の良い治療家を
探して適切な治療を受ければ治るだろう
昔、大リーグのピッチャーでアボットという
片手の手のひらが生まれつきないので
グローブを脇に挟んで投球して
直後に投げた手にグローブを付けて
キャッチャーからの返球を受ける
とんでもなく凄い人がいたが
本人がその気になれば
痛い患部をできるだけ使わない
工夫ができるはずである
究極は痛い手を使わずに作業ができるように
道具や作業場の変更をしたり
痛くない方の手で作業する練習をしたり
とにかく自分で治る努力をしてもらいた
人の体というものは常に代謝して
不調を改善しようと働いているので
寝るときに固定しておくと夜中に
自己治癒力がしっかり働いて
寝ている間に痛みをとってくれる
炎症が起こっている患部に毎日
自分でお灸をすえるのも良いだろう
このように努力する意志がある人なら
鍼灸治療を併用すれば手術をすることなく
仕事を続けることができるだろう
腱鞘炎は本人と治療家が
力を合わせて一緒に治療していけば
仕事をしながらでも悪化しないように
手を使い続けることができる疾患なので
初めから「安静なんて無理」と言わずに
何とか工夫しながら仕事での
手の負担を減らして
セルフケアと鍼灸治療をしながら
一緒に治していきましょう
私も匙を投げるのはもうやめます(笑)
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