- 鍼灸師の仕事は野球と似ている⑤
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バッターはピッチャーが投げる球の力を
利用して遠くに飛ばす
鍼灸では患者さんの呼吸に合わせて
鍼を刺入したり抜いたりする
ピッチャーが変われば球速も球種も球質も
何もかも違ってくるのでそれを
瞬時に計算してバットを振る
鍼灸師も一人一人の患者さんが治療室に
入ってくる時から歩き方や顔色などを
観察して瞬時に相手の状態を分析する
同じピッチャーでもその日によって
球の回転や変化球の落ち方などが
違うのと同じで
患者さんの症状や体調もどんどん
変化するのでそれに対応して
針の太さや本数、使用するツボ
刺激量などを匙加減する
一流のバッターは三振を取られた
ピッチャーと再戦する時は徹底的に相手を
研究してリベンジしようとする
鍼灸師は治療効果が実感できなかった
患者さんには問診から情報の取り忘れや
選穴の間違いなどを徹底的に再調査して
最善の治療法を導きだそうとする
野球は監督が構成するチームプレーで戦うが
治療は病と闘うのは患者自身だが鍼灸師を
監督として二人三脚で戦うので
実はチームプレーなのである
だから
鍼灸師と患者が厚い信頼関係を構築
できるかどうかが治療成功のカギを握る。
つづく
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