• 2024/02/17
  • 鍼灸・東洋医学
鍼はナゼ効くのか?メカニズムと治効理論⑦

鍼の効果は浅い方が良く効くことは
35年の私の臨床経験から感じていることであり
他の鍼灸師の先生はまったく違う
見解をもった人も多いかもしれない

そもそも私は注射が嫌いで
鍼を刺されることが苦手なのだ

だから人に鍼を打つ時でも
できるだけ痛くないようにしてきた

その結果

太さの種類が0番から5番まである鍼の
一番細い0番の鍼を使い
できるだけ鍼を打つツボを厳選して
2~5ミリほどのごく浅い刺入で治療している

だからツボは皮膚や脂肪、筋膜あたりの
ごく浅い所にあると思っている

しかし

世の中にはバーベキューの串のような
物凄い太い鍼で深く貫くような鍼をする
鍼灸師もいて、それなりに皆さん
治療効果を上げておられる

だから

実際には皮膚~筋膜の細胞だけに
鍼刺激を全身に伝えるツボの
役割があるのではなく

人体の全ての細胞がエクソソームを
出して情報を共有していることは
間違いないと思っている

そういう意味ではツボは
どこにでも存在すると言える

だから「ツボは皮膚にある」とか
「いやいやツボは筋紡錘にある」とか
ツボがどこかの限られた組織にあると
考えるのは妥当ではない

当の私も臨床上「あれ?」浅い所に
ぜんぜん反応がないと思い
深く刺していき筋肉も通過して
腹膜をも貫くぐらい深く刺して
やっと反応を感じる事がある

そしてその方が良く効く

この事からツボは基本的には
皮膚~筋膜の浅層の細胞に現れるが
必ずしもそこだけにあるのではなく
どこの細胞にもツボは現れると思われる
と仮説をたてている。

つづく



一覧に戻る