- 2020/04/22
- 院長のひとり言
- 鍼灸治療は免疫力アップが目的ではない!(1)
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世間では新型コロナウイルスに対抗するために
免疫力をアップする方法などと
あちこちで「免疫力アップ」という言葉が流行っています
その中でも「免疫力アップに鍼灸治療が効果的!」などと
うたっている鍼灸院も見かけられますが
鍼灸治療は免疫力アップを目的としません
こんなことを言うと鍼灸治療では
新型コロナウイルスに打ち勝つ
健康な体にはなれないように聞こえるかもしれませんが
そではありません
鍼灸治療で新型コロナウイルスに打ち勝つ
健康な体にはなれますが
それは免疫力がアップするからではありません
ほとんどの疾患は免疫力に悩まされているのです
何のこと?
と思うかもしれませんが実際にそうなんです
例えばインフルエンザで咳や熱が出るのは
インフルエンザウイルスが咳や熱を出しているのでしょうか?
いいえ咳や熱がでるのは免疫力の働きなのです
はぁ?と思われるかもしれませんが
ここが勘違いの始まりなのです
実は咳や熱を出しているのが免疫力なのです
ここ重要なのでもう一度繰り返します
インフルエンザで咳や熱が出るのは
インフルエンザウイルスが咳や熱を出しているのではなく
自分自身の免疫力が咳や熱を出して
インフルエンザウイルスを退治しようとしているのです
インフルエンザウイルスは熱に弱いので
高熱を出してウイルスを攻撃して
咳でウイルスを体の外に放出しているのです
これらの症状は全て自分自身の免疫力が
インフルエンザウイルスと戦うための武器なのです
戦場が自分自身の体の中なので
強力なウイルスと強い免疫力が戦えば
戦いもし烈になり大変な咳と高熱が出ることになります
私たちはインフルエンザで咳が止まらず
40度の高熱にうなされた時に
咳止めや解熱剤を服用しますが
あれはインフルエンザウイルスをやっつけるためではなく
自分自身の免疫力を押さえこんでいるのです
インフルエンザ脳症という小児では命に関わる
とても恐ろしい疾患がありますが
実はこのインフルエンザ脳症はインフルエンザウイルスが
脳に入り込んで脳を破壊したのではないのです
インフルエンザ脳症はインフルエンザウイルスに対する
過剰な免疫反応によって脳の血管が拡張し過ぎて
血管から水分がにじみ出て脳浮腫を起こし
延髄を圧迫してしまい意識障害や呼吸停止などの
命に関わる重篤な症状を引き起こすのです
言いかえれば免疫力が強すぎて起こった症状なのです
最近、巷で「免疫力アップメソッド」とか
「免疫力アップの食事療法」などと
免疫力アップという言葉が一人歩きして
免疫力がアップして強ければ強いほど良いような
世間の風潮がありますが
私は30年の臨床経験から鍼灸治療で免疫力が
アップして症状が改善しているのではないと考えます
何故なら鍼灸治療は足らないエネルギーを補い
過剰なエネルギーを削ぐことで
免疫システムをちょうどいい状態に保つ治療法であり
免疫力だけをアップしてしまうと
今ある症状がさらに悪化してしまうからです
つづく
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