• 2015/07/13
  • 院長のひとり言
腰痛治療に革命?
先週の土曜日に
「腰痛治療革命!」という
タイトルの番組があったので
録画して楽しみに観た

その内容は


非常に危険な内容であった


朝ドラや大河ドラマ

健康番組では

ためしてガッテン

ドクターGなど

NHKの番組は面白いものが多く 

あまり文句は言いたくないのだが


今日、当院に通院中の

腰椎椎間板ヘルニアの患者さんが

バランスボールをして

腰痛が悪化したといって来院された


「あの番組見られたんですか?」

「はい、あれを見て躰を反らそうと思って」

「やっぱり」


あの番組の被害者第1号である


番組の内容は

慢性の腰痛の原因は

腰では無く脳にあり

過去の強烈な腰痛の経験が

トラウマになり

脳の痛みの興奮が治まらないのが原因

だから

どんどん運動して

出来ないと思っていたことを

積極的にやりましょう

というものだった


確かにこの番組で扱った

どんなに検査しても

どこも悪くない腰痛はある

しかし

当院では3ヶ月に1人来るか来ないかで

非常に少ない

小生はこの様な腰痛持ちの人は


仮面うつ病、中枢感作症候群

などの病名で

腰痛症とは分けて考えている


番組を見た人ならお分かりの通り

治療法が全く逆なのだ


要するに器質的病変がないのに

四六時中呻き声がでるような激痛を感じ

不眠と夜間痛がひどい

こんな腰痛の人だけに

あの番組は製作されている


ところが


日本人の4人に1人が腰痛持ちで

全国に28万人もの腰痛患者がいて

そのほとんどが慢性的な腰痛に悩んでいる

番組のはじめと終わりに

同じナレーション

これでは

テレビの前の慢性腰痛の方は

自分も躰を反って体操して

痛いことを沢山して

克服して自信をつければ

治るかもしれないと思うのは

当然である



テレビを観ながら

「明日から腰痛患者が増えるのでは?」

心配した通りになった

当院の経営的には良い番組だが

もう少し

腰痛の分類や体操のリスクを

説明して


腰部になんらかの器質的病変が

有る人は

絶対に真似しないように

注意を促すべきだと思ったのである

一覧に戻る