• 2015/03/03
  • 院長のひとり言
25周年で思い出した事
3月1日で開業25周年を迎えて

25歳で一人で京阪沿線から
近鉄南大阪線の藤井寺へ来て

当院を開業した頃の事を
懐かしく思いをはせてみた


開業前日の2月28日

両親や親戚が集まって
身内で内覧会をして


スリッパや傘立て
待合のソファーを搬入し

みんなで昼ご飯でも

そう思っていた時に

「今日からでっか?」

小柄で日焼けした
80歳ぐらいのお婆さんが
足が痛そうに壁にもたれて立っていた



「明日からなんですが
「どこか痛いのですか?」

「昨日玄関でこけて足を痛めまして」

見ると足首が大きく腫れて
内出血で赤黒くなっていた

「痛そうですね」
「診てみますのでどうぞ中へ」

待合い室のソファーに座ってもらい

診ると骨折は無く靭帯損傷だったので 

テーピングと包帯固定して

「応急処置をしていますので」
「今日は一日安静にして
明日来てください」

「おいくらでっか?」

「明日から診療なので今日はいりません」

「そんな、申し訳ない」

「いやいや、本当にいりません」


歩きやすくなったと 
とても嬉しそうに帰って行った

そして次の日から毎日
日参のように通院し

待合い室で一緒になったお隣の方に


「うちはこの先生が開業しはる
一日前から診てもらってまんねん」と

誰にでも

自慢のように話をされていた

本当に可愛らしいお婆ちゃんだった


その頃、明治生まれのお婆さんたちが
たくさん当院へ通院されたいたが

みなさん個性的で

とても楽しい毎日だった


今はご近所のお年寄りが
みんな亡くなってしまい


中医鍼灸治療の口コミで
難病患者さんが多くなり

毎日、難しい症状と戦うために
必死で中医学を学ぶ日々である


ずっと前ばかり見て走ってきたので
思い出すことも無かったが

25周年という節目の年に

振り返って見ると

楽しい思いでがたくさん甦るのである

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