• 2024/02/12
  • 鍼灸・東洋医学
鍼はナゼ効くのか?メカニズムと治効理論④

鍼灸治療は筋肉をほぐすとか
血行が改善するなどの一つ一つの
効果を狙って施術するのではない

例えば機能性ディスペプレジアで
胃の調子が悪い患者さんは
胃に炎症や腫瘍があるわけではなく
原因は人それぞれだが
胃の蠕動運動や胃酸の異常によって
いろいろな症状が出てくる

この様な症状の患者さんは
消化器内科へ受信して胃の運動促進薬や
胃酸過多の薬を処方されると思うが

それはただの対症療法なので
まったく解決にはならない

「ぜんぜん良くならない」と訴えると
精神安定剤や睡眠薬などの処方をされて
これではどうにもならないと
鍼灸治療を求めて当院に来る患者さんが多い

中医学では人の体を物体のように
パーツで考えるのではなく
大自然の営みの中で生命をもった
動物としてからだ全体の細胞や
五臓六腑の関わりを考えて施術する

動物の体は生まれながらに自然に
悪い所を修復する能力が備わっている
また、外部から病原菌が侵入したら
戦う免疫力がある

鍼灸治療は脈診や舌診などの四診という
東洋医学特有の診察法でそれらの
自然治癒力や免疫力が最大限に
発揮できるようにするツボを
探し出して鍼や灸を用いて刺激して
治療するのである

要するに私はその人の体を内外から
中医学的に観察して
一番効くと思ったツボに鍼を打つのであって
筋肉や神経などの何か一つの組織を
狙って治療しているのではない

そしてツボに与えた刺激が
功をそうすれば患者本人の体が
自ら血行を改善し筋肉の緊張を緩めたり
自律神経を平衡に保ったり
精神的なうつや不安も緩和したり
食欲がわいてぐっすりと眠れたり
とにかく不調和を調和へと導いてくれるので

なにをやっても改善しなかった
機能性ディスペプレジアでも
霧が晴れたように改善していくのである


つづく


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