• 2023/05/26
  • 鍼灸・東洋医学
「包帯は柔整師の命や」はこれからも変わらない


昨日、当院の隣の道路で
スケートボードで転倒した
小学生の女の子が運びこまれた

左足をまったく着く事が出来ずに
うちの家内の肩を借りながら
片足でけんけんでやって来た

見ると外果の下にうっすらと
内出血があり同部に激痛を感じているようだ

左足を着い立ってみるように促しても
怖がってしようとしない

患部を詳しく触診しようとしても
怖がって診せてくれない

前距腓靭帯損傷か?距骨の不全骨折か?
ただの打撲で痛がり過ぎなのか?
なのだが診察が出来ないので
とりあえずアイシングして
患部を固定してレントゲンに
整形外科に行ってもらう方針に決定

ところが
固定時にシップは気持ち悪いからはイヤ!
テーピングは取る時痛いのでイヤ!

イヤイヤ攻撃にあい
「どないしたらええねん」
お手上げ状態だ(笑)

こんな時に私のように
40年前の整骨院で毎日綿の包帯を巻いていた
柔整師には包帯という便利な道具がある

その頃は整形外科がほとんどなく
その役割を整骨院が担っていたので
私の働いていた整骨院にはレントゲンがあり
普通に骨折や脱臼の患者さんを診ていた

その時の院長の口癖が
「包帯は柔整師の命や」だった

その頃の私は早朝からの玄関そうじに始まり
夜は兄弟子達の一番最後にお風呂に入り
風呂掃除をして深夜まで勉強という
丁稚生活真っただ中だったので

「俺の命は睡眠や」と思っていたが

当時はテーピングもギブスもなくとも
段ボールと包帯で骨折でも脱臼でも
何でも治していた

だからあれから40年経っても
足の関節を綿の包帯1本あれば
90度にしっかり固定する事ができる

最近は整形外科でレントゲンの結果
骨折が見つからなければ
シップで経過を見るだけだが

レントゲンで骨折がなくても固定は必要だ

靭帯が引き伸ばされて何らかの
組織が損傷して血を流しているからである

この患者のようにシップもテーピングも
嫌がるケースでは包帯1本で治療ができる
治療家でなければ対応困難だ

どんな時代になっても包帯は
万能な治療道具であり
整形外科の診ない領域を補完できる
現代の柔整師にとって命綱のようなものだ

「包帯は柔整師の命」は、これからの
柔整師にとっても変わらないだろう。





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