• 2019/12/07
  • 院長のひとり言
日本中が運動や体操をしないとならないような洗脳を受けているようだ


「先生の治療院では鍼灸治療だけで

マッサージやストレッチ体操はしてくれないのですか?」


以前、かかった整形外科で

「腰椎すべり症による脊柱管狭窄症」と診断され

その病院のリハビリでマッサージをしてもらい

身体をエビ反りにしたり捻ったりする

体操を指導されたというのである


確かに現在、整形外科領域で慢性腰痛に対して

マッケンジー体操のようなエビ反り体操をさせて

痛くない事を認知させる認知行動療法が主流になっている


しかしこの治療法はエビ反りになった時に

腰部に痛みが出たり足にシビレが無い事が前提である




この方のように両大腿部から足にかけて

強いシビレが出ているケースでは

絶対にエビ反りはやってはいけない動きである


この方は3カ月前に羽曳野の整形外科で診断が下って

このままだと手術するしか方法がないと言われたので

一生懸命に指導されたエビ反りの体操に励み

毎日5千歩の散歩を続け必死で努力した結果

どんどん悪化し続けて「手術しかないのか?」


その前に何か他の治療法はないものか?

そう思っていろいろツテをたどって

当院を探しあてて来られたのである


「腰椎で神経の通り道が狭くなって圧迫されているので

たくさん歩いたりエビ反りになるような

体操は絶対に止めてください」と

初回の治療日にお願いしておいたし


毎回のように「無理に歩かないで下さいね」

「腰が痛くなるような体操はしないで下さい」

「自分の自然治癒力を信じて安静にして下さい」

とお願いしてきたが


本日6回目の治療をしている時に上記の質問だ


「今日で治療開始から2週間経ちましたが

治りが悪い理由が分かりました」


病院で体操が良いと指導された事を信じ続けて

私が体操も散歩も全て止めて下さいと言った事を

軽く無視して今まで通り体操も散歩もやっていたのだ


だから治らない


治らないのが当然なのだ


認知行動療法は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症があっても

エビ反りになった時に痛みやシビレが出ない人が対象だ

要するに画像診断ではいろいろ写っているが

痛みの原因は腰では無く脳の暴走であり

脳が勝手に痛みを感じている患者の治療法なのだ


いろいろ神経を圧迫している画像が写っているけど

「ほら、こんなにエビ反りになっても平気でしょ」

「こんなに反っても、捻っても大丈夫」

こういう経験を繰り返すことによって

脳が「腰は悪くないのだ」と認知する

そういう治療法である


ところが


実際に痛みやシビレがある患者にとっては

反ったり捻じったりする行為は

狭くなった脊柱管をさらに圧迫して神経を刺激するので

やればやるほど悪化していくのである


現在はテレビや本などのマスコミ上で

ウオーキングやストレッチ体操などの治療法が蔓延している

今日も新聞の見出しで

「顎関節症はマッサージとストレッチで簡単に治る」などと

書いてあったので皆さん見られるのだろう


国民全員が何か運動をしていなければ治らないような

洗脳を受けているような状態だ

だから鍼灸治療で痛みとシビレを軽くしてもらって

さらにウオーキングやストレッチ体操に励もうとするのだ


1+1=2という足し算をして

やればやるほど良く治ると思いこんでいて

運動が体を悪くしている事に気付く人は少ない


人には体の不具合を元に戻す自然治癒力がある

病院でも患者さんをベッドに寝かせて安静にさせている

安静にすれば体が自ら損傷部位を修復してくれるのだ


実は早く治りたいなら引き算なのだ


この事をご本人が理解して

安静にしてくれるまで何度でも説明して

根気強く治療していくしかないと思ったのでした



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