• 2019/10/25
  • 院長のひとり言
ツボとは何だろう?

今日は時間があるので久しぶりにツボについて

じっくりと考えてみようと思う


ツボといえば一般的には「壷」を思い浮かべる


食料や飲みものを入れておく焼き物の容器である

また、「坪」は昔の尺貫法による広さを表す単位である


ツボとは物を入れる容器や広さの単位なのだろうか?


笑われるかもしれないが

私のツボに対するイメージは本当に

「壺」に似ているような気がするのである


鍼灸治療の臨床を何十年も続けていると

ある日突然、何も考えずに体に触れると

その人の悪いところに触ることができるようになる


そしてその場所が一番効果的なツボなのだ


その場所をそっと撫でていると

ツボの形や大きさが分かる


それはまるで「壺」のようなイメージである


縦長の物や横長の物、真ん丸の物やいびつな形の物

いろんな形、いろんな大きさのツボがある


鍼灸治療ではツボに「穴」という漢字を使うが


穴とは「くぼみ」「へこみ」の意味がある


とても肩こりが辛くてガチガチなのかと思って触ると

逆にグニャグニャに柔らかくて弾力がなく

指がスポッと入るようなへこみができるポイントがある


これもツボなのである


私の感覚ではツボには

グリッとした「壺」とへこみの「穴」の

2種類のツボがるのではないかと思っている

(もっと多くあるかもしれない 笑)


穴には大穴とか穴場などと

「知られていないが有効な所」という意味もある


一人一人の患者さんのその日の体調による

一番活動的なツボを見つけ出し


鍼や灸を使って

そのツボが喜ぶ刺激を与えることができれば

驚くほど鮮やかな効果が見られる


もしもこのブログを鍼灸の学生が見ているならば


ツボが生きていることを忘れないでほしい


壺や穴は生き物ではないが

鍼灸治療の「経穴」は気血の巡りが悪い五臓六腑の

反応が皮膚上に現れたものであり

生命の営みから生まれた生き物である


挨拶もしないでいきなり太い鍼で串刺しにして

刺すスピードが速いとか遅いとか

鍼の本数が多いとか少ないとか

鍼の角度が正確であるとか

そんなことで治療家の腕を競っても何の意味もない


ツボを見つけたら優しく撫で擦りをする

するとツボの方から勝手に蓋を開けてくれるので

絶対に焦って早急に刺してはならない

ツボが自ら蓋を開けてくれると

そこにそっと鍼を入れてやる

するとその鍼をツボが優しく掴む感覚がある


ツボが鍼を味方だと認識して受け入れてこそ

こちらの意図とする反応をしてくれるのである


鍼灸師によってはツボは神経やホルモン系に働きかける

ポイントで自律神経のバランスがとれたりするポイントであり

足や耳の反射区やトリガーポイントと同じようなもの

などと分かったような説明をする人もいるようだが


元来、ツボは知識で説明できるものではない


私にとって患者さんの体と正面から向き合い

手を置いて撫で擦り、治ってもらいたいという思いを

誠意をこめて伝えると心と心が通じ合うポイント

それがツボというものだと思うのです




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